今回は嬉野市嬉野町にある「パン工房さかもと」をご紹介します。
パン工房さかもとは、なんと嬉野の地元住民の方に推しのパンを聞くと、挙げるパンが十人十色で違うのだとか……。
旅館大村屋の北川さんからの紹介コメントを見てみましょう。
- 旅館大村屋・北川
- なんと言っても、どのパンもうまい!奇跡のパン屋です。嬉野の暮らしに根づいていて、普段の食事やおやつに食べるのはもちろん、ちょっとした手土産にサカモトパンを持ってきてくれると、誰もが喜びます。
奇跡のパン屋……!とても気になります。ちょっとした手土産と言えば、ケーキかお菓子が鉄板のはずですが、パン工房さかもとのパンはそれにも匹敵する様子。
期待に胸を膨らませ、取材班は現場へ向かいました。胸の高鳴りが止まらない。
パン工房さかもとは嬉野温泉の中心街から車で5分
パン工房さかもとは、嬉野温泉の中心街から車で5分ほどの場所にあります。
絵本に出てきそうな、レンガのあしらいが素敵な外観。「ウレシノサカモトパン」のロゴが特徴的でかわいい……。
扉を開けた瞬間に、全身が優しいパンの香りに包まれます。
店内には、所狭しといろんな種類のパンがぎっしり並んでいます。この日は、定番のものから新作まで、ざっと数えただけでも40種類以上ものパンが並んでいました。
地元の方によると、午前中にほとんどのパンが売り切れてしまうほどの人気店なのだそう。
一つ一つに温かみのある手書きのポップがついていて、読んでいるだけでお腹が空いてきます。
取材班が店内を見ている間にも、次々と新しく焼きたてのパンが並びます。
じゅるり。どれも美味しそう……。手土産に良さそうなパンもたくさんあります。
サンドイッチも美味しそう……! ポップの説明文のおかげで、さらに食欲が駆り立てられます。
美味しそうなピザが3種類も!なんと全て焼きたて。うう、無限の胃袋が欲しい。
トングで持つだけで、メロンパンのカリカリ感が伝わってきます。
定番も食べたいし、新作も押さえたい。でも、そんなに買っても食べきれない……。
取材班それぞれに好きなものをトレーに入れ、レジに向かいます。なんと、誘惑はレジの横にもありました。
「パン屋さんの」とつけたら、全ての食べ物が美味しく見える魔法でもあるんでしょうか。言葉のチカラ、すごい。
結局、めちゃめちゃ買っちゃいました。実際に購入したパンたちの中から、いくつかピックアップしてご紹介します。
パン工房さかもとの気になるメニュー①メロンパン
「カリッ!サクッ!モチッッッ!!!」のメロンパンです。お店でいちばんよく売れているメニューなのだとか。
外側のクッキー生地がカリカリでサクッと中まで到達すると、中はモッチモチ。程よい甘さで、スッとお腹に吸い込まれました。
パン工房さかもとの気になるメニュー②ピロシキ
洋風の餃子のようなしっかりとした味付けの具がたっぷりと詰まったピロシキです。周りのパンのほんのりとした甘さと合います!
これはもう、ピロシキの中身がとにかくおいしすぎる。具材の開発は、坂本店長の奥様なのだとか。もう中だけ取り出して、白ごはんにかけて食べてもおいしいだろうな……。妄想しすぎか。
パンを割って、中身の写真を撮ろうとすると、あまりにモッチモチなので、なかなかパンがちぎれませんでした。
この唯一無二の食感も、ぜひ味わってほしいポイントです。
パン工房さかもとの気になるメニュー③クリームパン
そっと持たないと潰れてしまいそうなくらい皮が柔らかく繊細な、クリームパンです。
中のクリームの重みを感じます。噛むと広がる、どこまでもやさしく、品の良い甘さ。
周りの生地は他のパンに比べると歯切れが良く、クリームと一緒に溶けていきます。
パン工房さかもとの気になるメニュー④フランスパン
じつは店長の坂本さんの今のイチオシとのこと。吸水率が80%という高加水のフランスパンです。吸水率が高ければ高いほど、パンはモッチモチになります。
ただ、水分を多く含む分、生地の扱いが難しくなり、なかなか安定して高加水のおいしいパンを作るのは難しいのだとか。
手でちぎってみると弾力があり、生地がすぐにちぎれずに伸びていきます。
食べてみると、外のパリパリ感と、中のモッチリ感のギャップが楽しい。小麦の香ばしい香りと優しい甘みがおいしくて、素材の味だけでどんどん食べ進められる美味しさでした。
こんなフランスパンがあるのか……!!
「基本のパンが美味しければ、また来てくれる」
今回は、パン工房さかもとの店主、坂本卓也さんにお話をうかがうことができました。坂本さんがパン屋さんになったきっかけは、幼いころの思い出にあったのだとか。
- 坂本さん
- 子どものころ、親と一緒に行っていた近所のスーパーの入り口にパン屋さんがあったんです。いつもパンのいい香りがしていて。はじめに「パン屋さんっていいな」と意識したきっかけです。
その思い出があり、高校卒業する間際になって将来を考えた時に、パン屋さんの「夢」を思い出したそうです。
その後、東京の専門学校に進んでパン作りの基礎を学びました。卒業後は大手のチェーンのパン屋さんや個人店のパン屋さんなど、いくつかのお店で修行。そして、2010年10月に晴れて地元嬉野で「パン工房さかもと」が開業されました。
- 坂本さん
- 基本のパンをしっかりと丁寧に作ることを大切にしています。食パンやフランスパン、メロンパンなど、どこのパン屋さんにもあるような基本のパンがまず美味しい。そうなると「他のパンもおいしいのかな」と、いろんなパンを食べたくなってもらえるのではないかと思っています。
地元の方の誰に聞いても、「どのパンもおいしい」と言われる秘密はここに……!
丁寧に作られた基本のパンがおいしいからこそ、それをベースに作られるどのパンもおいしいのだと納得しました。
パン工房さかもとの「奇跡」は「基本」の積み重ね
- CHECK!
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- 一番人気のパンはメロンパン
- お店のイチオシはフランスパン
- どのパンも美味しいのは基本を大切にした結果
本日食べたパンたちのカロリーを考えると恐ろしいのですが、その分幸せが詰まっていると前向きに考えましょう……。
パンってすぐにお腹いっぱいになりがちなのに、こんなに次々とスルッと入るのは、やはりシンプルに本当においしいから!それに尽きます。
「どのパンも美味しい奇跡のパン屋」とうかがいました。その奇跡を起こしていたのは、坂本さんが「基本のパンを丁寧にしっかり作る」というマインドだったのです。
基本を大切にする姿勢を、10年以上コツコツと積み重ねた結果、地元の方にここまで愛されるようになったんですね。納得……。
基本を大切につくられたおいしいパンを味わいに、パン工房さかもとをぜひ訪れてみてください。
今回紹介した暮らし観光
パン工房さかもと
※掲載内容は、取材当時の情報であり、価格、営業時間、メニューなどは変更の可能性があります。現地でご確認ください。